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APRSAF-29

APRSAF-29

2023年9月19日~22日

インドネシア Indonesia

共同声明

第29回アジア・太平洋地域宇宙機関会議 共同声明(仮訳)

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我々アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)は、「Accelerating Space Economiesthrough Regional Partnership(パートナーシップで広げる宇宙経済)」のテーマの下、第29回年次会合(APRSAF-29)をインドネシア・ジャカルタにて開催できたことについて、とても喜ばしく思う。

宇宙活動への民間企業の参入という世界的なトレンドの中、宇宙機関、行政機関、民間企業、国際機関、大学、研究機関といった宇宙のステークホルダーが、アジア・太平洋地域におけるネットワーキングや協力活動を行うためのフォーラムであるAPRSAFでも、参加するプレーヤーの多様性が徐々に増してきており、宇宙技術と、地上のIoT技術/サービスといった非宇宙技術の融合によって、社会課題解決のための新しい価値がもたらされ始めている。

また、民間企業や官民パートナーシップの存在は、宇宙活動やイノベーションの原動力となり、社会課題解決のための取組を拡大させるとともに、地域に社会経済発展の力を与えることで、持続可能な宇宙活動をもたらしている。

我々は、APRSAF名古屋ビジョンに基づき、フォーラム全体を通してオープン性を確保し、新しいプレーヤーの参加を歓迎するとともに、各分科会やワークショップの開催により、各活動の進捗の確認や、新たな取組に向けた活発な議論を行った。

(1) 地域共通の様々な課題解決の促進

我々は、官民を含む多様なプレーヤーと共に、地球観測衛星、測位衛星、地上情報を統合的に利用することで、災害対策や気候変動、環境問題など地域共通の課題を解決し、SDGsをはじめとするグローバルな課題解決に貢献することの重要性を認識する。我々は、センチネルアジアによる災害監視活動において、被災地域における画像、データといった衛星由来のプロダクトが、各国の防災機関だけでなく、それを支援する国際機関にも幅広く利用されるなど、同活動が発展していることを高く評価する。また、SAFEイニシアティブでの多国間協力による農業関連プロジェクトの成果として、農業気象(Agromet)プロジェクトによる衛星農業気象情報に加え、水稲監視(Rice Monitoring)プロジェクトによる水稲作付面積の衛星由来の推定値を、ASEAN等の利用機関が主体的に活用するための枠組の構築に向けた議論が進んでいることを高く評価する。さらに、水田からのメタン排出量削減評価(CH4Rice)プロジェクトに参加する各国において、同排出量の評価のために、地上観測をはじめとする具体的な協力に向けた準備が開始されたことを歓迎する。

我々は、アジア・太平洋地域における気候変動緩和や適応、並びに同地域における経済発展に資するサービスの社会実装に向けて、地球観測、測位衛星、IoT機器による地上観測、及び社会経済情報の統合利用について、産業界、政府、アカデミア間の協力の推進に向けた議論が行われたことを歓迎し、将来の取組に向けた議論の継続について期待する。

我々は、持続可能な活動のために、宇宙機関、利用機関、国際機関および開発援助機関との更なる連携や協力を引き続き強化していくことを認識する。

(2) 人材育成や科学技術力の向上

我々は、人材育成やSDGsへの貢献として、多国参加型かつ入門的な「きぼう」利用プログラムであるKibo Robot Programming Challenge 、Asian Try Zero-G及びAsian Herbin Spaceが各国で継続的に実施され、多くの若手研究者・技術者・青少年の参画を促したことで、それぞれの活動において過去最多の参加者数が記録され、地域における人材育成及び科学技術の発展へ寄与していることを認識する。日米協力枠組みJP-US OP3に基づくKibo Robot Programming Challengeでは、UNOOSAの新たな参加と、30か国・地域からの学生の参加を歓迎する。途上国の教育・研究機関に対してキューブサット開発の機会を提供し、それを超小型衛星放出機構J-SSODを利用して放出するプログラムであるKiboCUBEやJ-CUBEの枠組みを通して、人材育成や科学技術の発展が期待される。また、UAEの科学者による高品質タンパク質結晶生成実験や、タイの研究者による老化に関する研究として、宇宙で飼育するマウスのサンプル解析など、各国による「きぼう」の主体的・学術的利用が実現していることを歓迎する。さらに、国際宇宙探査の取組に関する情報交換が継続的に行われている。宇宙フロンティア分科会の参加者によって第1回目となるラウンドテーブルが実施され、将来的な情報共有プラットフォームの形成に向けた足掛かりとして有意義なものとなった。

我々は、昨年立ち上げた「アジア・太平洋地域宇宙教育会議」でのハイレベル実務者協議を継続した。「初等・中等・高等教育セッション」での実務者及び「若者のエンパワーメントセッション」での学生による発表を通じて、宇宙教育の実践例の共有や意見交換を行った。「宇宙教育におけるダイバーシティとインクルージョンセッション」を初めて開催し、今後の発展のための議論を行ったことを歓迎した。我々は、グローバルな宇宙教育の推進例として、ポスターコンテストを実施するとともに、世界各地を中継するオンライン天体観望会や、ジャカルタ現地での天体観望会を開催した。

我々は、アジア・太平洋地域の宇宙機関、大学、開発援助機関、産業界等の様々なプレーヤーと共に、システムズエンジニアリング(SE)、プロジェクトマネージメント(PM)および安全・ミッション保証(S&MA)能力の向上に資する情報交換や議論が行われたことを歓迎する。これらは、アジア・太平洋地域における超小型・小型衛星やコンステレーションを活用した社会課題の解決に資する様々なミッションや将来的なアプリケーションを実現するための共通基盤技術である。また、我々は、アジア・太平洋地域における「安全で持続可能な宇宙利用」の技術的な側面についての情報交換や議論を歓迎する。さらに、こうした議論を継続することで、今後の国際協力へ貢献することに加え、同地域におけるコミュニティ形成とキャパシティビルディングへ貢献することを期待する。

我々は、多様性を尊重するとともに、将来世代の育成や科学技術力の向上に向けた取組を通じ、SDGsの達成に寄与していくことを期待する。

(3) 地域の共通課題に対する政策実施能力の向上

我々は、地域の共通課題に対する各国の政策実施能力の向上を目指し、アジア・太平洋地域におけるグローバルな政策課題である宇宙活動の長期持続可能性等の議論に貢献した「宇宙法制イニシアティブ(NSLI)」の第二フェーズの成果を歓迎するとともに、第三フェーズの立ち上げと更なる発展を期待する。また、宇宙法・政策実務家間のコミュニティに加え、宇宙産業振興のための政策的課題へ関心を持つ、新たな宇宙産業界のプレーヤーとの議論や、政策的側面からの宇宙活動のSDGsへの貢献について議論がされたことを歓迎する。さらに、宇宙政策コミュニティの形成と発展を一層推進することで、地域の共通課題に対する各国の政策実施能力の向上と、宇宙活動の長期的持続可能性及び宇宙空間の安定的な利用の確保というグローバルな課題にも、APRSAFが同地域のフォーラムとして貢献することを期待する。

(4) 地域の新たなプレーヤーの参画促進と多様な連携の推進

我々は、アジア・太平洋地域における宇宙経済の成長が加速している状況を踏まえ、産業界を含む多様なプレーヤーとのコミュニケーションを一層深めるとともに、地域の課題解決を目指した具体的な取組に向けて、同地域の政府、宇宙機関及び産業界との情報交換や議論が行われたことを歓迎する。これらの宇宙産業ワークショップ(SIWS)やプレナリーでの関連セッションにおけるアジア・太平洋地域における宇宙産業振興に関する議論が更に継続・発展し、アジア・太平洋地域の宇宙経済の進展に貢献することを期待する。

我々は、アジア・太平洋地域のコミュニティにおけるパートナーシップを通した宇宙経済の成長の加速の重要性を確認し、パートナーシップを通して、地域の社会課題の解決と、社会経済の発展及びSDGsへの貢献を目指すことを確認した。

我々は、宇宙空間の持続可能な活用に向けた「宇宙活動に関する長期持続可能性ガイドライン」の履行を確保するため、政府、宇宙機関、産業界、アカデミア間での地域的、国際的な議論を継続することの重要性を認識するとともに、多様なプレーヤー間での連携が重要であることの理解を共有した。

我々は、宇宙経済の強化や、持続可能な宇宙活動の達成、気候変動や自然災害による影響の最小化といった、地域共通の関心事項を確認した。健全な宇宙のエコシステムを確立及び醸成するためには、地域的及び国際的な官民パートナーシップを促進することが重要である。また、宇宙分野の持続可能性を確保し、宇宙経済を一層強化するためには、宇宙の専門家となる将来世代の教育を行うことが不可欠である。

また、我々は、APRSAF名古屋ビジョン採択後のグローバルな状況の変化を踏まえ、次回年次会合において必要に応じて名古屋ビジョンをアップデートするための議論を開始することを確認し、APRSAF29を終了した。

第30回年次会合(APRSAF-30)は2024年11月26日-29日に豪州・パースで開催する。
また、第31回年次会合(APRSAF-31)は2025年にフィリピンで開催する。

以上

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