APRSAF-23

開催結果

2016年11月15日~18日、フィリピン科学技術省産業・エネルギー・新技術開発評議会(DOST-PCIEERD)、文部科学省(MEXT)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の共催により、第23回目となるアジア・太平洋地域宇宙機関会議(Asia-Pacific Regional Space Agency Forum: APRSAF)がフィリピン・マニラ市にて開催されました。

APRSAFは、1993年から毎年、我が国がアジア・太平洋地域の宇宙機関と共同で開催している、宇宙分野における同地域最大規模の国際会議です。今回の会議には、33か国・地域、10国際機関から576名が参加し、全体テーマ「Building a Future through Space Science, Technology and Innovation」(「宇宙科学・技術・イノベーションを通じた未来構築」)のもと、今後の地域協力の促進に向け活発な議論が行われました。

APRSAFでは、前半の2日間でAPRSAFの実務レベルの活動を担う4つの分科会(宇宙利用、宇宙技術、宇宙環境利用、宇宙教育)が開かれます。今回の分科会では、初めて宇宙利用分科会と宇宙技術分科会、宇宙技術分科会と宇宙環境利用分科会、さらに宇宙利用分科会とマルチGNSSアジア(MGA)カンファレンスの合同セッションが行われ、分科会間横断的な事項の議論も進められました。また、分科会活動への発展に向けた新たな協力についての発表(New Cooperation Session)や、JAXA、DOST、米国務省共催による宇宙分野での次世代人材育成に関するセッションを含む種々のサイドイベントなども開催されました。

後半2日間には本会合が開催され、1日目には基調講演として、フィリピン科学技術省のフォルチュナト・デラ・ペニャ大臣から社会的課題解決のための宇宙利用の有用性、フィリピンにおける宇宙利用の状況や、フィリピン宇宙庁設立に向けた展望等について語られました。

その後、各国からの活動報告や分科会からの報告に加え、二つの特別セッションが開催されました。一つ目の特別セッションは、DOSTが企画し、「社会のための宇宙~宇宙技術による自然災害低減」と題して、災害リスク低減のための様々な宇宙利用の取組みが、フィリピン社会福祉開発省、フィリピン地球科学・リモートセンシング学会、センチネルアジア、フィリピン地震火山研究所、地球観測衛星委員会から報告が行われました。二つ目の特別セッションでは「DIWATA-1ハイライト~国際協力によるブレイクスルー~次世代の育成~」をテーマにフィリピン初の小型衛星「DIWATA-1」開発のプログラムリーダーであるマルチアーノDOST先端科学技術研究所所長(DOST-ASTI)代理、JAXAの若田光一ISSプログラムマネージャーがモデレータを担当し、フィリピン科学技術省 産業・エネルギー・新技術開発評議会のラウル・サブラルセ次長、北海道大学高橋幸弘教授、若手技術者代表としてハロルド・ペイラーDOST-ASTI上級科学研究員が登壇し、小型衛星の意義等について意見を発表しました。

最終日には、APRSAFに関連する国際機関や域外の宇宙機関等によるアジアにおける活動発表が行われ、これらすべての発表を受けアジア太平洋地域の宇宙リーダーからAPRSAFの今回・今後の取組みへの総括が行われました。

会議の終わりに、APRSAF-23全体の総括として、各イニシアチブ・分科会活動に対する23の提言がまとめられ、会議は終了しました。

この4日間の会議に併せて、水ロケット・缶サット大会、ポスターコンテスト、イニチアチブのワークショップ、そしてブース展示も行われ、幅広い層からの参加者の交流の場となりました。

次回会合となるAPRSAF-24は、インド宇宙研究機関(ISRO)との共催で、2017年11月14日~17日にインド・バンガロールで開催される予定です。