ASIA-PACIFIC REGIONAL SPACE AGENCY FORUM

APRSAF-25

ジョイント・ステートメント

第25回アジア・太平洋地域宇宙機関会議 ジョイント・ステートメント

第25回アジア・太平洋地域宇宙機関会議は、全体テーマ「進化するニーズに応える革新的な宇宙技術」の下、2018年11月6日~9日まで成功裏に開催された。

APRSAFは、1993年からアジア・太平洋地域における宇宙活動の協力に関心のある者が自由に参加可能なオープンなフォーラムとして開催してきた。宇宙機関に限らず、政府機関、国際機関、開発援助機関、研究機関・大学等の参加を得てアジア・太平洋における宇宙協力構築のプラットフォームとして発展してきた。今年25周年を迎え、様々な分科会及びイニシアチブの年間を通した活動が、顕著な地域協力を生み出しAPRSAFを持続可能なフォーラムとしている。

(1) 進化するニーズに応える革新的な宇宙技術

経済及び社会システムが発展するにつれ、より安心、安全でより豊かな社会を求める人々のニーズは更に進化している。また、宇宙活動の高まりに伴い宇宙空間の密集化が進む中、スペースデブリの低減が課題となっている。こうした新たなニーズや課題に応えていくためにも、宇宙機関は革新的な将来技術開発への挑戦を続け、宇宙技術力の向上を図っていくことが重要である。

革新的な宇宙技術がアジア・太平洋地域の社会課題解決に向け効果的に活用されるためには、地球観測データ等のビッグデータ解析、IoT等を用いた高度なソリューションの社会実装が鍵となる。

(2) アジア・太平洋地域の宇宙技術力の向上

APRSAF-24で提唱した、社会課題に新たなソリューションをもたらす革新的な小型・超小型衛星の共同開発の取り組みに関し、関心のある宇宙機関が中心となって検討を進めてきたことを歓迎する。宇宙機関がその高い技術力を結集し、小型・超小型衛星の共同開発を実現するため参加機関間の必要な枠組みの構築に向けた更なる議論が深められることを期待する。

アジア・太平洋地域の国々において様々な学習機会の提供と人材育成が行われ、共有が図られてきた。また、高等教育のための先端的、専門的な講義により、地域全体の能力向上を図る試みとして開催された宇宙科学技術ワークショップ等の取組みを高く評価。今後も地域の求めに応じて、地域で協力し、同様の取り組みを継続・強化していくことが重要であると認識する。

アジア各国のKibo-ABCの活動を通じた人材育成の取組みと、小型衛星等による宇宙利用研究への着手を高く評価し、国際宇宙ステーション「きぼう」利用を生かした各国の宇宙開発利用の更なる進展に期待する。

(3) 社会実装に向けたユーザー機関等との連携

自然災害、気候変動、食料安全保障・水資源管理、都市問題などの仙台フレームワーク、パリ協定およびUN SDGs等でも取り上げられている社会課題の解決のために、センチネルアジア・SAFE等のイニシアチブ活動の一層の推進とともに、利用機関、開発援助機関、国際機関との更なる連携強化が重要である。

SAFE活動においては、これまでの成果を活用し、参加宇宙機関とASEANなどの地域国際機関との協力を前提とした新しいSAFEの枠組みへ発展したこと歓迎する。これにより、宇宙技術を用いた穀物の作況見通し・収穫把握など、新たにSAFEプロジェクトが推進されることを期待する。

センチネルアジアについて、長期戦略プランの策定や参加メンバーによる共同運営がなされていることを確認する。これにより参加メンバーの災害管理活動をより効果的に支援し、社会基盤となることを期待する。

アジア・太平洋地域をカバーする新たな衛星測位システム「みちびき」のサービス開始を歓迎する。「みちびき」をはじめとする衛星測位システムの、国土開発、農業、交通管理等の分野における利活用への貢献を認識し、更なる利活用の促進を期待する。

(4) アジア・太平洋地域の宇宙政策コミュニティの形成

アジア・太平洋地域の国々において、多様な宇宙開発ステージにおける異なるアプローチで各々に産業振興のための政策を推進していることを認識する。事業化を促進する宇宙政策や「S-Booster in Asia」などの宇宙ビジネスアイデアコンテストのプログラムの立上げ、並びに事業化支援機関との連携強化により宇宙産業へのニュープレーヤーの参入促進を期待する。

国連COPOUSの機会を活用した宇宙政策イベント、ASEAN宇宙小委員会等での議論等を通して、この地域の宇宙政策担当者が定期的に集まる機会の設定が推進されていることを歓迎する。各々の政策に関する情報交換を通して、各々の政策課題への相互理解を深めるともに、共通の社会課題の解決に共に取り組んでいく協力機会の創出へと繋がることを確信する。

(5) 将来の宇宙探査活動への参加促進

宇宙探査は、ISEF2東京原則にあるように、先端技術の開発と応用、グローバルパートナーシップの創造、経済発展の促進と新たなビジネス機会の提供を通じ、地球上の全人類に利益をもたらすものである。宇宙探査には、アジア・太平洋地域の新興国や非宇宙部門などが参加可能な多様な機会があることを認識する。また、宇宙機関の役割が進化し、既存/新興のプレーヤー間の新しい協力が現れてきていることを認識する。宇宙探査の拡大のため、ISSを継続的に利用し、地球低軌道における技術実証のために衛星開発を進め、月および月以遠の探査につなげることの重要性を確認する。また、地上技術を宇宙探査に応用し、さらには宇宙探査技術を地上技術に貢献すること、宇宙機関と新興プレーヤーの協力を促進すること、及び若者を喚起することの重要性を確認する。

ISEF2を通じた機運の高まりを受け、この地域のさまざまなプレーヤーの間で、宇宙探査の発展に向けて継続的に議論する機会を持っていくことへの期待を確認し、APRSAFは国際宇宙探査の重要性について、今後も取り上げることを確認する。

(6) 将来のAPRSAFに対する期待

参加者は、以下の提案を歓迎した。

  • 共通の課題への取組みに対する宇宙機関の役割について、スタートアップ企業を含む産業界との対話を設ける。
  • イノベーティブなアイデアを持つ次世代人材や起業家との対話を設ける。
  • リージョナルな取組みとUNCOPUOSで議論されている課題を含むグローバルな取組みとの間の更なる連携機会を提供する。
  • 地域の課題を解決するためにいかにして衛星データを共有できるかに関する議論を行う。
  • 災害リスク低減(災害予測モデル)や宇宙科学に重点を置いた議論を行う。

第26回アジア・太平洋地域宇宙機関会議は2019年に日本で開催する予定。

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